お知らせ

2020 / 04 / 25  17:48

腰痛(腰を後ろに反った時の痛み)

腰痛(腰を後ろに反った時の痛み)

 生涯で約8割の人が腰痛を経験すると言われています.

前かがみになると痛い、長時間椅子に座ると腰が痛くなってくる、仰向けになると腰に痛みがあるなど、人によって腰痛の種類や原因は違うため治療法もそれぞれ異なります。

腰の痛みの出方、種類は大まかに4つのパターンがあります。

 

1.体を前に曲げた時(前屈痛)

2.体を後ろに反った時(後屈時痛)

3.体を回旋した時(回旋時痛)

4.体を横に倒した時(側屈時痛)

 

これらの動作のうち、どの動作時に痛みが生じるかで原因は異なってきます。もちろん人によっては前屈、後屈両方とも痛みが生じることもあれば、4つの動作すべてに痛みがでる人もいると思いますが、特に体を前に曲げた時の方が痛いのか、それとも体を後ろに反らした方が痛いのかで治療法も変わってきます。

 

今回は体を後ろに反らした時に生じる腰痛についてお話します。

体を後ろに反らした時にでる痛みは椎間関節(上の椎骨と下の椎骨の連結部分)の痛み仙腸関節性の痛み、もしくは筋・筋膜性の痛みが考えられます。また腰椎椎間関節症、脊柱管狭窄症、腰椎分離症、腰椎すべり症などの疾患では後屈時に痛みがあります。

後屈時痛がある場合、加えて他に、

 

  • 長時間立っていると腰が痛くなってくる。
  • 座っている状態から立つ時の痛みが強い
  • あおむけで寝られない
  • 時々足にしびれがある

などの症状があらわれやすいです。

 

後屈時痛の原因

 

反り腰の姿勢(腰椎の過前弯と骨盤の前傾)

反り腰は腰椎の関節の部分に過度な圧縮ストレスがかかりやすくなるため、関節周辺の組織に炎症が生じやすくなります。

股関節前面にある腸腰筋大腿筋膜張筋大腿直筋や背中にある脊柱起立筋の柔軟性低下は反り腰の原因になります。

その他に体が柔らかい人、妊娠中や出産後の人は反り腰になりやすく、腰痛の原因になります。

 

胸椎及び胸郭(肋骨で覆われる部分)の可動性低下

体の曲げ伸ばし、特に体を後ろに曲げる動作というのは、まず最初に頭や首が後屈して、そのあと胸部、腰部の順に後屈し、腰部の後屈に伴って骨盤は前方に移動しながら後傾していきます。体が全体的に弓なりのような形になるのが理想的な後屈動作ですが、胸椎や胸郭の可動性が低下している場合、胸部の後屈動作できないため、腰椎がその分過剰に後屈を強いられます。

日常生活でそんなに大きく後ろに反らすことは少ないと思いますが、歩いたり、物を上に持ち上げたりと日常生活動作のなかで体の伸展動作は軽微ながらおこなっています。胸部が伸展できないことで腰部へのストレスが日ごろから常にかかり、この小さなストレスの蓄積が腰に痛みや炎症を引き起こす要因になります。

また腰椎が過度に後屈を強いられると関節の部分に過剰な圧縮ストレスがかかるため、炎症を引き起こしやすくなります。

胸椎伸展可動域の低下は後鋸筋の筋力低下大胸筋、外腹斜筋などの体前面の筋柔軟性低下によっておこります。

 

体幹筋力の低下

特に反り腰の人や後屈時で痛みが生じやすい人は体のバランスに関わる腹横筋、横隔膜、骨盤底筋、多裂筋の筋力が低下していることが多いです。これらの筋力がないと脊柱を支えることが困難になるため、腰に負荷がかかりやすくなります。

 

これらの他にも様々な原因が考えられますが、特に後屈時に腰痛を生じる人の場合、胸椎の伸展可動域の低下股関節前面の筋柔軟性の低下体幹筋力の低下が多くみられます。この場合の治療は痛みがある周囲の筋肉を柔らかくしても治りません。

腰痛の原因は人によって違い、関節の可動性が低下している人、筋力がない人、もしくは原因が複数ある人もいるため、人それぞれ評価をしっかり行い、治療法も必要に応じて運動療法や手技療法、鍼灸治療を組み合わせて施術する必要があります。長く腰痛を患っていて治るのを諦めている方、腰痛で日常生活に支障をきたしていてお困りの方は一度ご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020 / 04 / 22  09:30

めまいについて

めまいについて

疲れがやストレスを抱えている時に突然目の前がぐるぐると回るようなめまいがしたり、立ちくらみや身体がフワフワ宙に浮くような経験をしたことはないでしょうか。

平衡感覚をつかさどる前庭機能や自律神経の機能が何らかの原因により一時的に低下することでめまいが現れやすくなります。

めまいとは実際自分や周囲が動いていないのにもかかわらず、周りがぐるぐると回るように見えたり、足元がフワフワして体がふらつくなど動いているように感じられることをいいます。

 

 

 耳の奥の内耳というところには三半規管耳石器があります。この両者をあわせて前庭と呼び、バランス感覚(平衡感覚)の役割を担っています。

三半規管は半円形の半規管が三つあり、中は内リンパ液で満たされています。頭や体が回転すると三半規管のなかにある内リンパ液が動き、三半規管の神経を刺激することで回転性の動きを感知します。

耳石器は三半規管のすぐ真下(根本)に存在します。耳石器は神経細胞から感覚毛が生え、感覚毛の上部にはカルシウムの細かい耳石が多くついている構造になっています。耳石は体の直線的な運動で動き、耳石が動くことによって感覚毛を刺激して、体の動きや傾きを感知します。主に耳石器は重力、体の水平方向や垂直方向の動きを感じとります。

 

めまいには大きく分けて周囲がぐるぐると回るような回転性のめまいと足元がフワフワして体が宙に浮いているような浮動性のめまいがあります。

回転性のめまいは良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴、前庭神経炎などの内耳に原因があることが多く、浮動性のめまいは脳卒中脳腫瘍が原因でおこります。

 

良性発作性頭位めまい症

めまいを引き起こす原因で最も多いとされています。特徴的な症状は体位変換時、ある特定の方向へ頭を動かした時に生じる回転性のめまいです。めまいが強いため、吐き気や嘔吐などの自律神経症状を伴うこともあります。中高年の女性に多く、横向きなど長時間同じ姿勢を保ち続けて寝ることによって生じやすくなります。

本来、三半規管には耳石は存在しませんが、何らかの原因で耳石器の耳石が感覚毛から剥がれ落ちて、三半規管の中に入り込んでしまうことがあります。頭を傾けたりすると三半規管のなかに溜まっていた耳石が動き、それと一緒に三半規管の中のリンパ液が動くことによって、神経を刺激してめまいが生じてしまうのです。

強い回転性のめまいのため、重い病気を疑ってしまうこともありますが、この疾患は体を動かした時にのみ生じるめまいであり、良性です。

 

メニエール病

めまいの原因として多い疾患の一つです。中高年の女性に多く、回転性のめまいを生じますが、めまいだけではなく耳鳴りや難聴、耳閉塞感を伴います。反復性があり、繰り返し症状が現れます。

はっきりとした原因はわかっておりませんが、ストレスや疲労など何らかのきっかけで三半規管の中の内リンパ液が増えて(水ぶくれ)しまい、過剰なリンパ液が神経を刺激してしまうためにめまいが引き起こされます。この疾患は病変が三半規管だけではなく、音を感知する蝸牛(内耳の一部)にも及ぶので耳鳴りや難聴、耳のつまり感を伴うのが特徴です。

 

突発性難聴

その名の通り突発的に強い難聴を引き起こし、耳鳴りや耳閉塞感を伴います。めまいを生じることも少なくありません。症状がメニエール病と似ていますが、メニエール病はめまいが反復的におきるのに対して突発性難聴はめまいが繰り返し起こることはありません。

 

前庭神経炎

三半規管や耳石器で感知された体の傾きや動きの情報は前庭神経を通じて脳に伝えられます。この前庭神経に炎症が生じると、強いぐるぐるとした回転性のめまいを生じます。前庭神経炎は風邪を引いた後に生じることが多いため、ウイルスが神経に感染することで生じると言われています。

 

 

 脳梗塞や脳出血、脳腫瘍によるめまい

脳の病気が原因でおこるめまいは、体が宙に浮いているようなフワフワとした浮動性のめまいが多く、その他に激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、飲み込むのが難しいなどの症状を伴います。脳幹や小脳は体のバランスを調節しているため、これらの部分に腫瘍や出血をおこすとめまいを生じます。

 

その他の原因で起こるめまい

 

・心因性めまい

疲労やストレスもめまいが生じる原因になります。疲労や精神的ストレスの蓄積は脳に過剰な負担を強いることになり、その結果脳の混乱を招き、めまいを引き起こしやすくなります。また、これらの要因は自律神経系のバランスも乱しやすく、特に交感神経優位の状態になります。交感神経優位の状態が長く続けば、さらなる疲労増大にもつながり、適切な血管の拡張と収縮の運動ができなくなるため、血行不良を招きます。その結果バランス感覚を司る前庭や感覚情報を統合している脳に十分な栄養や酸素を供給することができなくなり、めまいが生じやすくなります。

 

 

・自律神経性失調症によるめまい

自律神経失調症に多い、急な立ち上がりや起き上がりの時に生じるめまいや立ちくらみは副交感神経と交感神経が適切なスイッチの切り替えができなくなっているためにおきます。通常立ち上がる時や起き上がる時は、血液が重力によって足の方へ下がらないように交感神経が適切に働くことで、血圧を維持して脳血流を一定に保っています。様々な原因によって副交感神経と交感神経のスムーズなスイッチの切り替えができないと起き上がったり、立ち上がったりしたときに脳を循環している血液が重力によって下がってしまい、立ちくらみやめまいを生じてしまうのです。自律神経失調症は精神的ストレスで起こることも多いため、自律神経性のめまいは心因性のめまいと重なってでていることもあります。

 

・加齢によるめまい

脳には目からの視覚による情報、内耳からの平衡感覚の情報、全身の筋肉や関節からの“手足や身体の位置”“関節の曲がり具合”などを感知する深部感覚の情報が送らてきます。脳はこれらの情報を統合して、全身の筋肉に指令をだすことによって体のバランスや姿勢をコントロールしています。

加齢によって徐々に体の機能は低下していきますが、機能低下が顕著にみられるのが三半規管や耳石器、前庭神経の老化による平衡感覚(バランス感覚)の低下です。

三半規管、耳石器、前庭神経の機能低下は体の傾きや位置情報を脳に正しく伝えることができなくなるため、その結果脳が混乱してしまい、めまいが起きてしまうのです

 

めまいやふらつきがある場合の多くは特に首や肩の筋肉が過緊張を起こしています。

頭を地面に対して垂直に立たせなければいけないため、内耳や目から得られる情報に基づいて首肩周辺の筋肉を収縮させて頭の傾きを調節しています。この一連の調節は無意識下で行われていて、目、前庭(三半規管、耳石器)、肩首の筋肉は反射回路でつながっています。したがって三半規管や耳石器に障害が生じたりすると肩首の筋肉も緊張して硬くなりやすく、また筋肉が過緊張すれば内耳にも影響を及ぼしやすくなります。よって肩首の筋肉の過緊張もめまいを引き起こす一要因でもあり、めまい感を増強している原因にもなります。

めまいに対しての治療は目の周辺や首肩周辺の筋緊張をとって血行改善を目的に施術していきます。また自律神経の乱れもめまいの原因になりますので患部周辺だけではなく、患者さんの体の状態に応じて全身にアプローチしていきます。原因にもよりますが、めまいは薬の服用だけでは完全に治らないケースも少なくありません。めまいでお困りの方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

2020 / 04 / 15  06:23

高血圧の予防と対策

高血圧の予防と対策

加齢に伴い、体の機能は年とともに低下していきますが、加えて血管の老化も進み血圧も徐々に高くなっていきます。しかし最近では生活習慣病の増加、運動不足などの影響により比較的若い年代層で高血圧になるケースもあります。

血圧を維持することは生きていく上で大事ではありますが、一方で血圧が高すぎたり、低すぎたりしてしまうのも良くはなく、血圧の過度な変動は体の機能を正常に維持することができなくなり、様々な障害を引き起こしやすくなります。

 

血圧とは

私達の体の中では血液を介して、細胞一つ一つに栄養や酸素などを届けたり老廃物を排出するために、絶えず心臓が繰り返し動き、血液を全身すみずみまで循環させています。そして心臓が動くことによって血圧が変動しています。

「血圧」とは血管壁にかかる圧力のことをいいます。心臓が収縮して血液が送り出されるとき、血管にかかる圧力のことを「収縮期血圧」と呼び、心臓が収縮した後、拡がるときにかかる圧力を「拡張期血圧」と呼びます。

血圧は常に一定ではなく、日中は比較的高く保たれ、夜間では徐々に下がり始め、睡眠時には最も低くなります。このように血圧は一日を通して規則的に変動していて、このことを日内変動といいます。これは自律神経活動の状態を反映しているといえます。つまり昼間には体を活動状態にさせるために交感神経が優位に働き、それに伴い血圧も上昇していきます。夜は体を休息させるために副交感神経優位になり、血圧は下がります。

血圧の高さは「心臓から血管に送り出される血液量」と「血管の抵抗性や柔軟性」によって決まります。

例えば腎臓の機能低下や過剰な塩分摂取は血液中の水分が増えます。血液量が増えれば、心臓から送り出される血液量も増えるので、血管に圧力がかかりやすくなります。また血管が収縮したり、動脈硬化などによって血管が硬くなると、一定量の血液が流れ込むことによって血管への内圧も高まります。

 

分類 収縮期血圧       拡張期血圧
至適血圧 <120 かつ <80
正常血圧 <130 かつ <85
正常高値血圧 130-139 または 85-89
Ⅰ度高血圧 140-159 または 90-99
Ⅱ度高血圧 160-179 または 100-109
Ⅲ度高血圧 ≧180 または ≧110
収縮期高血圧 ≧140 かつ <90

 

 血圧は低すぎても、高すぎても体には良くありませんが、特に血圧で問題になるのが、血圧が高すぎることによって引き起こされる様々な疾患です。長期間続く高血圧は動脈硬化や血管の脆弱を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの重大な疾患につながる恐れがあるからです。

血圧は医療機関での測定で上(収縮期血圧)が140㎜Hg、下(拡張期血圧)が90㎜Hgを超えると高血圧と診断され、治療の対象になります。

高血圧は原因が明確ではない一次性高血圧(本態性高血圧)と、腎臓や内分泌系などの疾患が原因でおこる二次性高血圧に区分されますが、高血圧の多くは一次性高血圧であり、高血圧の90%を占めます。一次性高血圧は特に遺伝的要素生活習慣による影響が大きく関わっています。

 

血圧を上げる原因

一次性高血圧は特に生活習慣と密接に関わっており、肥満や過度な飲酒、喫煙などは血圧をあげる要因となります。

 

  • 運動不足、肥満
    肥満は高血圧の発症率が2~3倍高くなります。
    肥満かどうかはBMI値で調べられます。BMI値とは身長と体重との関係性を計算した数値であり、身長に見合った体重であるかどうかを調べられます。
    BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}
    BMI値が18.5~24であれば標準体重であり、25以上は肥満とされます。
  • 塩分の過剰摂取
    塩分の過剰摂取により血中の塩分濃度は高くなります。血中の塩分濃度が高くなると、塩分を薄めるために体内に水分が過剰に吸収されます。その結果血液量が増え血圧が高くなります。
  • 過度な飲酒
    少量のアルコール摂取は一時的に血圧を下げますが、長期間の過度な飲酒は血圧をあげる原因になります。またアルコールの代謝過程で塩分の排出を促すカリウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く失われてしまいます。
  • ストレス,疲労,睡眠不足
    ストレスや疲労、睡眠不足は交感神経が緊張します。交感神経活動の高まりは血管を収縮させるため、血管抵抗性が増加し、血圧が高くなります。
  • 高血糖
    血糖値が高いと塩分と同様に濃度を薄めようと多量の水分が血液中に吸収され、血圧が上がります。血糖値が高い糖尿病は血圧が上がりやすくなります。
  • 遺伝的要素
    血圧は遺伝の影響を受けやすく、両親が高血圧だった場合、子供が成人後に高血圧になる確率は50~60%といわれています。
  • 血管の老化
    年を重ねていくと血管は徐々に弾力性を失い、動脈硬化が進んでいきます。そのため加齢によって血圧は高くなります。加えて高脂血症や高血糖など様々な疾患を抱えていると血管がもろくなりやすく、さらに血圧が高くなります。

 

高血圧の予防と対策

 

食生活の見直し
塩分が少ない食事を心がけることで血圧をコントロールすることができます。また塩分の過剰摂取を控えるだけではなく、体内の塩分の排出を促す栄養素を積極的に摂取しましょう。野菜や果物に多く含まれているカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルの他、食物繊維は体内の余分なナトリウムを排出する作用があります。

 

適度な運動
適度な運動は血圧を下げることがわかっています。汗をかくことで血液中の余分な水分や塩分が排出され、血管への負荷が少なくなります。また運動は肥満防止や心肺機能の向上にもつながりますので継続した運動をおすすめします。

 

過度なアルコール摂取や喫煙を控える
長期間のアルコール摂取は血圧を高めます。またたばこに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり血圧を高めてしまいます。たばこを吸う本数をより少なくすることを心がけましょう。

 

心身リラックスさせて睡眠を十分にとる
ストレスや疲れ、睡眠不足があると交感神経を高めるため、血圧が上がりやすくなります。簡単ではありませんが、なるべくストレスや疲労を蓄積させず体をリラックスさせて、副交感神経を高めるような生活習慣を心がけましょう。

 

高血圧の鍼灸治療

 

高血圧の鍼灸治療は本態性高血圧に有効とされております。頸肩や腰、下肢など全身の緊張部位や反応部位にアプローチすることにより、末梢血管(血管の末端)の抵抗性を弱めたり、交感神経の緊張を抑えたりすることができます。加えて鍼灸による刺激はリラクゼーション効果があり、体を休める副交感神経の働きを高めます。

血圧は一日の規則的なリズムで変動していますが、心身の状態により血圧の規則的な変動は容易に崩れます。寝たきりとなる原因で多い脳卒中や、死因で多くを占める心筋梗塞や脳梗塞は高血圧と密接に関わっています。高血圧は「サイレントキラー」といわれるように自覚症状がなく放置されがちですが、高血圧に関わる疾患が多いだけに日々の体調管理はしっかり行い、生活習慣を見直してみましょう。

 

2020 / 03 / 28  09:08

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)

四十肩、五十肩はその名の通り40~50代の中高年に多く、肩関節に炎症が生じて肩関節の強い痛みとそれに伴う挙上困難、運動制限を特徴とします。この疾患にかかると腕が挙げられないばかりか、痛みによりあらゆる方向に腕が動かせなくなります。「洗濯物が干せない」「エプロンが結べない」「髪が洗えない」「痛みで寝付けない、目が覚めてしまう」など日常生活に支障がでる程強い痛みを伴うこと多いです。この疾患も変形膝関節症や脊柱管狭窄症などの疾患と同じように肩関節の組織が徐々に摩耗(老化)していくことによっておこる退行性変化を基盤とした変性疾患の一つです。はっきりとした病態は分らないとされておりますが、腱板損傷・断裂、肩峰下滑液包炎、上腕二頭筋腱炎などの病態が関わっていると考えられます。

 四十肩・五十肩の現れ方は人それぞれちがいますが、最初は肩関節周辺の軽度の痛みと違和感を自覚し、徐々に痛みが強くなっていくことが傾向にあります。

一般的に肩関節の違和感から始まり徐々に痛みが強くなる場合、3つの病期をたどるといわれています。

 

炎症期
肩関節周辺組織が炎症している時期。痛みが強く安静時痛や夜間痛があり、しばしば痛みのために睡眠が障害されることもあります。

拘縮期
安静時痛や夜間痛を伴う強い痛みはなくなりますが、肩関節を動かすと痛みがあり筋肉に過緊張がみられます。

回復期
安静時痛や運動時痛が徐々に軽くなり、肩関節が正常な状態まで回復していきます。

 

 肩関節の痛みや運動制限の回復にかかる期間は人によって様々ですが、1,2か月程度で治る人もいれば、半年、1年以上と長期間を要する人もいます。なかなか痛みや運動制限が治らない背景には筋拘縮による血液循環の悪化、筋力低下や関節可動域制限などによる体の機能低下が関わっているケースもあります。

 肩関節は、上腕骨と肩甲骨で構成する肩甲上腕関節(狭義の肩関節)、鎖骨と胸骨(体前面の中心にある骨)で構成する胸鎖関節、肩峰(肩甲骨の一部分)と鎖骨で構成する肩鎖関節そして肩甲骨と胸郭(肋骨部分)からなる肩甲胸郭関節の4つの関節を合わせていいます。腕を上に挙げたり、前に伸ばしたり、腕を回すというような動作は腕だけが動いてるわけではなく、これらの関節が一体となって動くことにより肩甲骨、鎖骨、胸椎(背骨の胸の部分)が連動して、一つの動作を可能としています。

四十肩・五十肩に罹患しやすい人は特に肩甲骨や鎖骨、胸椎が正常に動いていないことが多く、日頃から肩甲上腕関節(狭義の肩関節)のみで繰り返し使っているため、酷使により炎症が生じてしまいやすいのです。

 

肩甲骨、鎖骨、胸椎が動かなくる原因として

 

1.姿勢による影響
特に背中が丸まると肩が前方に移動します。この状態は肩甲骨や鎖骨の動きを止めてしまい、肩甲上腕関節に過度な負荷がかかっています。

2.筋緊張、筋拘縮
体の前面にある大胸筋や小胸筋、鎖骨下筋、外腹斜筋、前鋸筋、肩背部にある肩甲挙筋、菱形筋、棘下筋などの筋緊張は肩甲骨や鎖骨の動きを止めてしまったり、上腕骨頭の異常運動を引き起こしてしまうため、肩の痛みの原因になります。これら一部分の筋緊張は姿勢による影響が強くでます。

3.肩甲骨周囲筋の筋力低下
肩甲骨には腕の動きに応じて肩甲骨を規則正しく動かすための筋肉が多数付着しています。腕を90度以上挙げるときには僧帽筋という筋肉が主体となって働きますが、特に僧帽筋下部線維の筋力低下があると肩甲骨を正常に動かすことができなくなり異常運動を引き起こしやすくなります。肩甲骨の異常運動は肩関節の炎症を引き起こしたり、肩こりを生じやすくなります。

3.胸椎の伸展不足
もともと胸椎は軽度後ろに彎曲(生理的湾曲)しています。腕を挙上する時には腕の動きに伴い、胸椎は伸展して、同時に肩甲骨が後傾します。胸椎が伸展しないと肩甲骨の後傾の動きも制限され、肩甲上腕関節には負荷がかかります。特に体前面にある外腹斜筋や腹直筋、大胸筋、小胸筋などの過緊張があると胸椎の伸展ができなくなります。

4.体幹筋力の低下
腰部や腹部の深いところには体の安定性に関わる筋肉群があり、この筋肉群の筋力低下があると背骨を正しい位置に保つことができなくなり、それが肩甲骨にも影響して肩関節の可動域制限を引き起こします。

 

一概には言えませんが、四十肩・五十肩に罹患しやすい人、痛みや運動制限がなかなか回復しない人の多くは先にあげた複数の要因が絡んでいて、その結果体の機能低下に陥っていると考えられます。痛みや運動制限などの程度が人それぞれ違うように、原因もそれぞれ違います。姿勢や関節可動域、徒手筋力などを総合的に評価し、それに応じた治療をおこなっていきます。痛みや長期間患ってお悩みの方は一度ご相談ください。

2020 / 03 / 24  11:17

加齢に伴う膝の痛み

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若い頃に日常生活で普通にできていたことが今ではできなくない、あるいはできる範囲が狭まっている、そういうふうに感じる方は多いと思います。身体機能は10~20代をピークにそれ以降は加齢と共に段々と低下していきます。同時に重力環境下で暮らしている以上、関節の変形も起こりやすくなります。特に腰椎の関節や膝関節は荷重関節といい、体重がかかり、かつ可動性を有しているため負担が大きく、比較的若い年代から変性しやすい関節でもあります。個人差にもよりますが膝関節は早い人で40代から変形が始まってきます。しかし2足起立及び歩行を行う人間において、関節の変形は誰もが起こるものであり、生理的現象でもあります。

膝関節は大腿骨と脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(お皿)で構成しています。大腿骨と脛骨それぞれの関節部分は関節軟骨で覆われ、その間には半月板という軟骨組織があります。関節軟骨や半月板は地面から伝わる衝撃を吸収するクッションの役割を担ったり、関節の動きを滑らかにするはたらきがあります。その周りには大腿骨や脛骨、膝蓋骨をつなぐ靭帯(内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯など)があり、関節が過剰に動きすぎないように膝関節の動きを制動しています。

変形性膝関節症は関節軟骨や半月板がすり減ったために生じる膝の痛みというように解釈されることが多いですが、変形に伴う痛みの程度もそれぞれで、関節軟骨や半月板が薄くなっているからといって必ずしも痛みが生じるとは限りません。関節の変形があるのにもかかわらず痛みがない人や、一方で関節の変形が軽度でも痛みが強くあらわれることもあり、関節の変形と痛みの程度は一致しないことも多いです。

 

膝の痛みを助長している原因

関節軟骨や半月板がすり減ることで、骨がむき出しになり神経を刺激して痛みが生じる、衝撃吸収ができないため膝への負担が大きくなり痛みがでるということはもちろんあると思います。しかし膝の痛みと変形(軟骨組織の摩耗による)の程度は必ずしも一致していないこともあり、膝の痛みを引き起こす、あるいは痛みを増強している原因は他にもあると考えられます。

 

姿勢による膝への影響

加齢の影響は膝だけではなく、背骨や筋力にもあらわれてきます。特に腰椎の椎間板(椎骨の間にある軟骨組織)は年とともにつぶれていきやすく、同時にお尻や腰の筋肉も衰えていきます。その結果、腰は段々と後ろに曲がり、骨盤は後ろに傾き(後傾)、上体は全体として丸まった姿勢になります。

理想の姿勢というのは、横からみて下肢の上に真っ直ぐ上体がのっているような状態が良く、力学的な観点からも負担が一番少ないといわれています。しかし上体が丸まった状態というのは下肢に対して上体が後ろにもたれかかっている形になります。膝関節から重心が遠くなるため、この状態は膝の不安定性を招き、その結果痛みが生じやすくなります。猫背の姿勢をとることが多い若い年代でも、このような理由で膝の痛みを引き起こすことがあります。

 

体重による影響

膝関節は荷重関節であり、体重による影響が大きい関節です。普段から何気なく歩いたり、階段を利用したりして移動していますが、その時膝には体重以上の負荷がかかっています。歩行時には体重の2~3倍、階段昇降では体重の5倍(降りるときの方が負荷が大きい)、走るとなると体重の7倍以上の負荷が膝関節にかかっています。体重が1㎏増えると、膝関節には少なくとも2㎏以上の負荷が加わることになります。負荷が大きくなることは膝の痛みを引き起しやすくなるだけではなく、膝関節の変性を早めることにもつながります。膝の痛みがつよいのに運動不足だからといって、無理に歩いたり階段を使って運動しようとしたりして、かえって痛みが強くなってしまった、というお話をよく耳にします。体を動かすことはいいことなんですが、痛みが強いのに運動を無理に行うことで痛みはさらに悪化し、変形も進行してしまいます。

 

膝関節組織による影響

膝関節の組織には関節軟骨や半月板、靭帯の他に組織同士の摩擦防ぐ袋状の関節包や、関節運動を円滑にする膝蓋下脂肪体があり、これらに炎症や癒着が生じると痛みがあらわれます。特に膝関節を曲げた際、膝関節前面に強い痛みを生じます。関節包や膝蓋下脂肪体の状態を良くすることで膝の痛みが軽くなることも多いです。

 

膝関節可動性の低下による影響

膝関節の可動性が少なくなると膝関節の一定の部分にだけ負荷が加わり続けるため、その部分に痛みが生じやすくなります。関節の動きは単に曲げたり、伸ばしたりというような動きだけではなく屈伸運動に伴い軽度回旋しています。膝を痛める方のなかには膝の回旋不足が原因で起こることもあります。

 

胸郭(肋骨で覆われている部分)の回旋可動域低下による影響

歩行時、足の動きに伴い胸郭は前後への回旋運動をしています。この回旋運動があることで前方への推進力が得られ効率的な歩行を可能としているわけですが、胸郭の可動性低下、特に胸郭の回旋不足があると腰や膝関節で代償されます。その分、膝関節には回旋ストレス(ねじれるような力)が増大しますので、回旋ストレスの蓄積により膝関節の痛みが強くなります。変形性膝関節症を抱える方のなかには胸郭の可動性が低下が原因で膝に痛みを引き起こしているケースもみられます。

 

その他にも足部や足関節のアライメント、脛骨の異常捻転、膝関節周囲の筋筋膜の緊張や癒着、骨盤のアライメントなども痛みの原因、痛みが増大する原因になります。

 

変形性膝関節症の症状に対する治療

 

膝関節は外側部分と内側部分で荷重を分配していますが、もともと膝関節内側の方が荷重がかかりやすい構造になっています。それに加え、姿勢、体重、脊柱や骨盤のアライメント不良、関節の可動域制限、足部の機能不全など様々な要因が存在することで膝関節内側への負荷はさらに増大します。患部のみを治療して症状が軽くなることもありますが、膝関節を力学的な視点で捉えると、膝関節の変形に影響を及ぼす原因が全身にもあり、その原因を一つ一つ取り除くことで膝の痛みをとることもできます(膝の変形の程度にもよる)。治療としては膝関節内側にかかりすぎた荷重を外側部分に分散させ、異常な力学的環境を改善させるために、まず身体機能の評価を行い、その結果に基づいて鍼灸治療、手技や運動療法、テーピングなどを用いて全身にアプローチしていきます。膝の痛みでお悩みの方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

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