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2020 / 04 / 15  06:23

高血圧の予防と対策

高血圧の予防と対策

加齢に伴い、体の機能は年とともに低下していきますが、加えて血管の老化も進み血圧も徐々に高くなっていきます。しかし最近では生活習慣病の増加、運動不足などの影響により比較的若い年代層で高血圧になるケースもあります。

血圧を維持することは生きていく上で大事ではありますが、一方で血圧が高すぎたり、低すぎたりしてしまうのも良くはなく、血圧の過度な変動は体の機能を正常に維持することができなくなり、様々な障害を引き起こしやすくなります。

 

血圧とは

私達の体の中では血液を介して、細胞一つ一つに栄養や酸素などを届けたり老廃物を排出するために、絶えず心臓が繰り返し動き、血液を全身すみずみまで循環させています。そして心臓が動くことによって血圧が変動しています。

「血圧」とは血管壁にかかる圧力のことをいいます。心臓が収縮して血液が送り出されるとき、血管にかかる圧力のことを「収縮期血圧」と呼び、心臓が収縮した後、拡がるときにかかる圧力を「拡張期血圧」と呼びます。

血圧は常に一定ではなく、日中は比較的高く保たれ、夜間では徐々に下がり始め、睡眠時には最も低くなります。このように血圧は一日を通して規則的に変動していて、このことを日内変動といいます。これは自律神経活動の状態を反映しているといえます。つまり昼間には体を活動状態にさせるために交感神経が優位に働き、それに伴い血圧も上昇していきます。夜は体を休息させるために副交感神経優位になり、血圧は下がります。

血圧の高さは「心臓から血管に送り出される血液量」と「血管の抵抗性や柔軟性」によって決まります。

例えば腎臓の機能低下や過剰な塩分摂取は血液中の水分が増えます。血液量が増えれば、心臓から送り出される血液量も増えるので、血管に圧力がかかりやすくなります。また血管が収縮したり、動脈硬化などによって血管が硬くなると、一定量の血液が流れ込むことによって血管への内圧も高まります。

 

分類 収縮期血圧       拡張期血圧
至適血圧 <120 かつ <80
正常血圧 <130 かつ <85
正常高値血圧 130-139 または 85-89
Ⅰ度高血圧 140-159 または 90-99
Ⅱ度高血圧 160-179 または 100-109
Ⅲ度高血圧 ≧180 または ≧110
収縮期高血圧 ≧140 かつ <90

 

 血圧は低すぎても、高すぎても体には良くありませんが、特に血圧で問題になるのが、血圧が高すぎることによって引き起こされる様々な疾患です。長期間続く高血圧は動脈硬化や血管の脆弱を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの重大な疾患につながる恐れがあるからです。

血圧は医療機関での測定で上(収縮期血圧)が140㎜Hg、下(拡張期血圧)が90㎜Hgを超えると高血圧と診断され、治療の対象になります。

高血圧は原因が明確ではない一次性高血圧(本態性高血圧)と、腎臓や内分泌系などの疾患が原因でおこる二次性高血圧に区分されますが、高血圧の多くは一次性高血圧であり、高血圧の90%を占めます。一次性高血圧は特に遺伝的要素生活習慣による影響が大きく関わっています。

 

血圧を上げる原因

一次性高血圧は特に生活習慣と密接に関わっており、肥満や過度な飲酒、喫煙などは血圧をあげる要因となります。

 

  • 運動不足、肥満
    肥満は高血圧の発症率が2~3倍高くなります。
    肥満かどうかはBMI値で調べられます。BMI値とは身長と体重との関係性を計算した数値であり、身長に見合った体重であるかどうかを調べられます。
    BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}
    BMI値が18.5~24であれば標準体重であり、25以上は肥満とされます。
  • 塩分の過剰摂取
    塩分の過剰摂取により血中の塩分濃度は高くなります。血中の塩分濃度が高くなると、塩分を薄めるために体内に水分が過剰に吸収されます。その結果血液量が増え血圧が高くなります。
  • 過度な飲酒
    少量のアルコール摂取は一時的に血圧を下げますが、長期間の過度な飲酒は血圧をあげる原因になります。またアルコールの代謝過程で塩分の排出を促すカリウムやマグネシウムなどのミネラル分が多く失われてしまいます。
  • ストレス,疲労,睡眠不足
    ストレスや疲労、睡眠不足は交感神経が緊張します。交感神経活動の高まりは血管を収縮させるため、血管抵抗性が増加し、血圧が高くなります。
  • 高血糖
    血糖値が高いと塩分と同様に濃度を薄めようと多量の水分が血液中に吸収され、血圧が上がります。血糖値が高い糖尿病は血圧が上がりやすくなります。
  • 遺伝的要素
    血圧は遺伝の影響を受けやすく、両親が高血圧だった場合、子供が成人後に高血圧になる確率は50~60%といわれています。
  • 血管の老化
    年を重ねていくと血管は徐々に弾力性を失い、動脈硬化が進んでいきます。そのため加齢によって血圧は高くなります。加えて高脂血症や高血糖など様々な疾患を抱えていると血管がもろくなりやすく、さらに血圧が高くなります。

 

高血圧の予防と対策

 

食生活の見直し
塩分が少ない食事を心がけることで血圧をコントロールすることができます。また塩分の過剰摂取を控えるだけではなく、体内の塩分の排出を促す栄養素を積極的に摂取しましょう。野菜や果物に多く含まれているカリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルの他、食物繊維は体内の余分なナトリウムを排出する作用があります。

 

適度な運動
適度な運動は血圧を下げることがわかっています。汗をかくことで血液中の余分な水分や塩分が排出され、血管への負荷が少なくなります。また運動は肥満防止や心肺機能の向上にもつながりますので継続した運動をおすすめします。

 

過度なアルコール摂取や喫煙を控える
長期間のアルコール摂取は血圧を高めます。またたばこに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり血圧を高めてしまいます。たばこを吸う本数をより少なくすることを心がけましょう。

 

心身リラックスさせて睡眠を十分にとる
ストレスや疲れ、睡眠不足があると交感神経を高めるため、血圧が上がりやすくなります。簡単ではありませんが、なるべくストレスや疲労を蓄積させず体をリラックスさせて、副交感神経を高めるような生活習慣を心がけましょう。

 

高血圧の鍼灸治療

 

高血圧の鍼灸治療は本態性高血圧に有効とされております。頸肩や腰、下肢など全身の緊張部位や反応部位にアプローチすることにより、末梢血管(血管の末端)の抵抗性を弱めたり、交感神経の緊張を抑えたりすることができます。加えて鍼灸による刺激はリラクゼーション効果があり、体を休める副交感神経の働きを高めます。

血圧は一日の規則的なリズムで変動していますが、心身の状態により血圧の規則的な変動は容易に崩れます。寝たきりとなる原因で多い脳卒中や、死因で多くを占める心筋梗塞や脳梗塞は高血圧と密接に関わっています。高血圧は「サイレントキラー」といわれるように自覚症状がなく放置されがちですが、高血圧に関わる疾患が多いだけに日々の体調管理はしっかり行い、生活習慣を見直してみましょう。

 

和養鍼灸院
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