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2023 / 04 / 14  08:00

体の不調と脾胃の関係

お腹と脾胃の関係

私たちの体は食事から得られる栄養素により作られています。日頃から栄養バランスのいい食事を心がけることも大事ですが、加えて胃腸がしっかり働き、栄養素を取り入れることで体の組織が作られたり、あらゆる生理機能を維持することができます。
胃腸の調子が悪くなると一般的にお腹の張りや痛み、下痢などの胃腸症状が現れることが多いですが、同時に口内炎、身体のむくみ、肌の荒れ、全身倦怠感など一見胃腸の不調とは関係ないような症状も現れることがあります。
これらの症状は五臓六腑の「脾」と「胃」に関連性があり、脾胃の機能低下が原因で引き起こされてるからなのです。

 

「脾」と「胃」とは

そもそも五臓六腑とは中医学の内臓にあたり、私たちが認識している現代医学の内臓とは少し概念が異なります。
五臓六腑とは端的に言うと、実物としての臓器を指しているのではなく、生命維持に必要な生理機能を分類し、それぞれの機能に内臓の名称をつけたものになります。
そして五臓六腑は眼や鼻、耳、口などの感覚器、体表部の爪、肌、筋肉などの組織とも繋がっており、五臓六腑の状態はこれらの組織に反映されます。
「脾」は特に口唇や肌肉と密接に繋がっており、脾の状態に応じて口唇や肌肉の色、ツヤ、肉つきが変化します。

 

「脾」の働き

脾の主な機能として「運化作用」「昇清作用」「統血作用」があります。

  • 「運化作用」
    「運化」とは飲食物を気血津液に変える「転化」と気血津液を全身に運ぶ「運送」の二つの意味を有しています。
    脾の働きは飲食物を消化吸収して、そこから気血を作り出します。そして肺を通じて気血を全身に運び、各組織を滋養します。
    この飲食物から体に必要な気血をつくり、全身に輸送するという脾の機能のことを運化作用といいます。
    また脾は飲食物から水(津液)を吸収をし、全身に散布するという水分代謝の働きもしています。
  • 「昇清作用」
    脾の機能には気や血を上に押し上げるという働きがあり、このことを昇清作用といいます。

    運化作用によって飲食物から作り出された栄養素は肺に運ばれますが、栄養素を胃から上部にある肺へ押し上げる現象は昇清作用によるものです。
    また重力下でも内臓や器官が下がらないように定位置につなぎとめているのも「昇清作用」によるものなのです。
  • 「統血作用」
    統血とは血液が漏れ出ないように血管内に留める働きのことをいいます。脾の働きによって飲食物からつくられた気を血管に送ることにより、血液が漏れ出ないように、血管を引き締め、円滑な血液循環をサポートしています。

 

「胃」の働き

  • 摂取した飲食物を受け入れる(受納)
  • 受納した飲食物を脾とともに消化(腐熟)吸収を行い、吸収されないで残った飲食物の粕(濁)は小腸に送られます。
    この胃に残った粕(濁)を下部の小腸に下す働きのことを降濁作用と呼びます。胃は濁を小腸に送ることで新たに飲食物を受け入れることができます。

 

脾胃が不調に陥りやすい原因

  • 暴飲暴食
  • 生もの、甘いもの、脂っこいもの、冷たい飲食物、飲酒などの過剰摂取
  • 過労やストレス
  • 思い悩みすぎ

 

脾胃不調のサイン

脾胃は食べ物に影響を受けやすく、味が濃いものや甘いもの、脂っこいもの、冷たいものなどの過剰摂取は脾胃に負担を与えてしまいます。

脾が弱ると…
脾の不調は「運化作用」「昇清作用」「統血作用」が低下し
食欲不振、腹部膨満感、易疲労、全身倦怠感、身体のむくみ、内臓の下垂、下痢、不正出血、血尿、血便、月経過多を引き起こします。

また脾は口唇、肌肉と密接に繋がっているため、脾が弱るとこれらの組織の状態も悪くなり、味覚異常、口内炎、肌肉がやせ細るというような症状がでます。

 胃が弱ると…
飲食物を受け入れるという働き(受納)に異常が生じ、消化吸収が妨げられたり、消化された飲食物を小腸に送り出す降濁作用が低下するため腹部膨満感、腹痛、胸や胃のつかえ感、呑酸、胸やけ、げっぷ、しゃっくりなどの症状が現れます。 

このように脾胃の不調はお腹の調子だけではなく、全身にも影響を及ぼします。
体温を上げる、免疫機能を発揮する、内臓の働きを促すなどあらゆる体の生理機能は気と血の働きによるものなので、飲食物から気血をつくる脾胃は体の健康を維持する上でとても大事な臓腑なのです。
そのため中医学では脾胃を中心に考え、弱った体の状態をみていきます。鍼灸では脾胃に関連する経絡にアプローチすることにより脾胃の状態を整え、症状を改善することが期待できます。

とはいえ脾胃の健康を保つのには日々の生活で負担をかけないように養生することがとても大切。
脾胃の健康は体の健康につながります。

 

 脾胃を養生するポイント

  • 暴飲暴食しない
  • 味が濃いもの、脂っこいものを食べすぎない
  • なるべく生ものを避け、加熱したものを食べる
  • 冷たい飲料水ではなく、常温か温めた飲料水を飲む
  • 適度な運動をして、消化機能を促す
  • 考えすぎたり、悩みすぎないようにする

 

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