お知らせ

2020 / 04 / 22  09:30

めまいについて

めまいについて

疲れがやストレスを抱えている時に突然目の前がぐるぐると回るようなめまいがしたり、立ちくらみや身体がフワフワ宙に浮くような経験をしたことはないでしょうか。

平衡感覚をつかさどる前庭機能や自律神経の機能が何らかの原因により一時的に低下することでめまいが現れやすくなります。

めまいとは実際自分や周囲が動いていないのにもかかわらず、周りがぐるぐると回るように見えたり、足元がフワフワして体がふらつくなど動いているように感じられることをいいます。

 

 

 耳の奥の内耳というところには三半規管耳石器があります。この両者をあわせて前庭と呼び、バランス感覚(平衡感覚)の役割を担っています。

三半規管は半円形の半規管が三つあり、中は内リンパ液で満たされています。頭や体が回転すると三半規管のなかにある内リンパ液が動き、三半規管の神経を刺激することで回転性の動きを感知します。

耳石器は三半規管のすぐ真下(根本)に存在します。耳石器は神経細胞から感覚毛が生え、感覚毛の上部にはカルシウムの細かい耳石が多くついている構造になっています。耳石は体の直線的な運動で動き、耳石が動くことによって感覚毛を刺激して、体の動きや傾きを感知します。主に耳石器は重力、体の水平方向や垂直方向の動きを感じとります。

 

めまいには大きく分けて周囲がぐるぐると回るような回転性のめまいと足元がフワフワして体が宙に浮いているような浮動性のめまいがあります。

回転性のめまいは良性発作性頭位めまい症、メニエール病、突発性難聴、前庭神経炎などの内耳に原因があることが多く、浮動性のめまいは脳卒中脳腫瘍が原因でおこります。

 

良性発作性頭位めまい症

めまいを引き起こす原因で最も多いとされています。特徴的な症状は体位変換時、ある特定の方向へ頭を動かした時に生じる回転性のめまいです。めまいが強いため、吐き気や嘔吐などの自律神経症状を伴うこともあります。中高年の女性に多く、横向きなど長時間同じ姿勢を保ち続けて寝ることによって生じやすくなります。

本来、三半規管には耳石は存在しませんが、何らかの原因で耳石器の耳石が感覚毛から剥がれ落ちて、三半規管の中に入り込んでしまうことがあります。頭を傾けたりすると三半規管のなかに溜まっていた耳石が動き、それと一緒に三半規管の中のリンパ液が動くことによって、神経を刺激してめまいが生じてしまうのです。

強い回転性のめまいのため、重い病気を疑ってしまうこともありますが、この疾患は体を動かした時にのみ生じるめまいであり、良性です。

 

メニエール病

めまいの原因として多い疾患の一つです。中高年の女性に多く、回転性のめまいを生じますが、めまいだけではなく耳鳴りや難聴、耳閉塞感を伴います。反復性があり、繰り返し症状が現れます。

はっきりとした原因はわかっておりませんが、ストレスや疲労など何らかのきっかけで三半規管の中の内リンパ液が増えて(水ぶくれ)しまい、過剰なリンパ液が神経を刺激してしまうためにめまいが引き起こされます。この疾患は病変が三半規管だけではなく、音を感知する蝸牛(内耳の一部)にも及ぶので耳鳴りや難聴、耳のつまり感を伴うのが特徴です。

 

突発性難聴

その名の通り突発的に強い難聴を引き起こし、耳鳴りや耳閉塞感を伴います。めまいを生じることも少なくありません。症状がメニエール病と似ていますが、メニエール病はめまいが反復的におきるのに対して突発性難聴はめまいが繰り返し起こることはありません。

 

前庭神経炎

三半規管や耳石器で感知された体の傾きや動きの情報は前庭神経を通じて脳に伝えられます。この前庭神経に炎症が生じると、強いぐるぐるとした回転性のめまいを生じます。前庭神経炎は風邪を引いた後に生じることが多いため、ウイルスが神経に感染することで生じると言われています。

 

 

 脳梗塞や脳出血、脳腫瘍によるめまい

脳の病気が原因でおこるめまいは、体が宙に浮いているようなフワフワとした浮動性のめまいが多く、その他に激しい頭痛、手足のしびれ、ろれつが回らない、飲み込むのが難しいなどの症状を伴います。脳幹や小脳は体のバランスを調節しているため、これらの部分に腫瘍や出血をおこすとめまいを生じます。

 

その他の原因で起こるめまい

 

・心因性めまい

疲労やストレスもめまいが生じる原因になります。疲労や精神的ストレスの蓄積は脳に過剰な負担を強いることになり、その結果脳の混乱を招き、めまいを引き起こしやすくなります。また、これらの要因は自律神経系のバランスも乱しやすく、特に交感神経優位の状態になります。交感神経優位の状態が長く続けば、さらなる疲労増大にもつながり、適切な血管の拡張と収縮の運動ができなくなるため、血行不良を招きます。その結果バランス感覚を司る前庭や感覚情報を統合している脳に十分な栄養や酸素を供給することができなくなり、めまいが生じやすくなります。

 

 

・自律神経性失調症によるめまい

自律神経失調症に多い、急な立ち上がりや起き上がりの時に生じるめまいや立ちくらみは副交感神経と交感神経が適切なスイッチの切り替えができなくなっているためにおきます。通常立ち上がる時や起き上がる時は、血液が重力によって足の方へ下がらないように交感神経が適切に働くことで、血圧を維持して脳血流を一定に保っています。様々な原因によって副交感神経と交感神経のスムーズなスイッチの切り替えができないと起き上がったり、立ち上がったりしたときに脳を循環している血液が重力によって下がってしまい、立ちくらみやめまいを生じてしまうのです。自律神経失調症は精神的ストレスで起こることも多いため、自律神経性のめまいは心因性のめまいと重なってでていることもあります。

 

・加齢によるめまい

脳には目からの視覚による情報、内耳からの平衡感覚の情報、全身の筋肉や関節からの“手足や身体の位置”“関節の曲がり具合”などを感知する深部感覚の情報が送らてきます。脳はこれらの情報を統合して、全身の筋肉に指令をだすことによって体のバランスや姿勢をコントロールしています。

加齢によって徐々に体の機能は低下していきますが、機能低下が顕著にみられるのが三半規管や耳石器、前庭神経の老化による平衡感覚(バランス感覚)の低下です。

三半規管、耳石器、前庭神経の機能低下は体の傾きや位置情報を脳に正しく伝えることができなくなるため、その結果脳が混乱してしまい、めまいが起きてしまうのです

 

めまいやふらつきがある場合の多くは特に首や肩の筋肉が過緊張を起こしています。

頭を地面に対して垂直に立たせなければいけないため、内耳や目から得られる情報に基づいて首肩周辺の筋肉を収縮させて頭の傾きを調節しています。この一連の調節は無意識下で行われていて、目、前庭(三半規管、耳石器)、肩首の筋肉は反射回路でつながっています。したがって三半規管や耳石器に障害が生じたりすると肩首の筋肉も緊張して硬くなりやすく、また筋肉が過緊張すれば内耳にも影響を及ぼしやすくなります。よって肩首の筋肉の過緊張もめまいを引き起こす一要因でもあり、めまい感を増強している原因にもなります。

めまいに対しての治療は目の周辺や首肩周辺の筋緊張をとって血行改善を目的に施術していきます。また自律神経の乱れもめまいの原因になりますので患部周辺だけではなく、患者さんの体の状態に応じて全身にアプローチしていきます。原因にもよりますが、めまいは薬の服用だけでは完全に治らないケースも少なくありません。めまいでお困りの方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

和養鍼灸院
〒274-0063
千葉県船橋市習志野台2-16-12サンハイツ103

TEL. 047-401-9131

受付時間
平日9:00〜19:00 土曜日9:00〜13:00 第2,4木曜日9:00〜13:00 (定休日:日・祝)
※日曜日は不定休でやっております