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2023 / 05 / 18  07:00

頭部前方姿勢による身体への影響

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慢性化した肩こり、頭痛、疲れ目、筋肉疲労による倦怠感など、特に午後になるとこのような症状が繰り返し現れることがあります。症状が一時的なもので再発しなければ問題ありませんが、肩こりや首の痛み、頭痛が慢性的に繰り返し現れる場合、頭部前方姿勢になっていることも考えられます。

頭部前方姿勢とは簡単に言うと頭が肩より前にでている姿勢のこと。
頭部前方姿勢になってしまう原因としては日頃からの姿勢の癖もありますが、デスクワークやスマートフォン操作の長時間にわたる作業が深く関わっています。
集中して画面を見続けるあまり、自然に頭が前のめりになってしまい、気がついたら頭部前方姿勢になっていたということがよくあるかと思います。VTD作業が多いこの時代ならではの特徴的な姿勢とも言えます。

頭の重さは約5~6㎏、ボーリング玉ぐらいあり、その重たい頭を首や肩で支えています。しかし頭が前に傾くことで、頭の重量の倍以上の負荷が首肩にかかると言われています。
頭部前方姿勢は頭が前に傾いている状態であるため、首や肩の組織には常に約10㎏~30㎏の負担がかかり続けていると予想されます。
デスクワークやスマートフォン操作の長時間作業によって生じる頭部前方姿勢を繰り返しとっていると普段の姿勢にも影響してしまいます。この姿勢が常態化してしまうと首肩への負荷がかかり続けているため、常に疲労感もあり調子が優れない状態に陥りやすくなります。

 

頭部前方姿勢では

  • 首の痛みや肩こり
  • 慢性化した緊張型頭痛
  • 筋肉疲労による倦怠感
  • 疲れ目、かすみ目、目の奥の痛み
  • 顎関節の痛み
  • 嚥下機能(食べ物を飲み込む機能)障害による誤嚥

などの様々な症状を引き起こします。

 

1)前方に偏位した頭を首や肩の筋肉が支えているため、筋肉に疲労が蓄積します。
後頭下筋群、肩甲挙筋、僧帽筋、板状筋、半棘筋、菱形筋が疲労して硬くなると肩こりや痛みが生じやすくなります。

 

2)首周辺の筋肉、特に半棘筋、板状筋、後頭下筋群の過緊張は大後頭神経や小後頭神経を圧迫するため、後頭部に電気が走るようなピリッとした痛みが生じます。また首肩の筋肉は筋膜を通じて頭蓋骨に繋がっているため、首肩の筋緊張が筋膜を介して頭蓋骨に伝わると頭全体が圧迫されたような痛み、ハチマキで締め付けられるような痛みと表現されることが多いです。

 

3)首周りの筋緊張により大後頭神経が圧迫されると、三叉神経にも影響を受けることがあります(大後頭神経三叉神経症候群)。
三叉神経は眼や鼻、顔などの知覚をつかさどっており、三叉神経に影響が及ぶと目や前頭部、頬、顎周辺などに痛みを感じます。

 

4)頭部前方偏位があると顎関節を動かす咬筋や側頭筋、外側翼突筋の張力のバランスが乱れやすく、適切に顎関節が動かせなくなります。その結果顎関節に異常な動きが生じ、口を動かす度に顎関節の軟骨組織に圧迫負荷がかかるため顎関節に痛みが生じるのです。

 

5)頭部前方姿勢による嚥下機能障害はご年配者に多い症状です。
頭部前方偏位があると舌骨の動きに悪い影響を及ぼします。舌骨とは下あごと喉ぼとけの間にあるU字の形をした小さな骨です。飲食物を飲み込む際、舌骨が筋肉の作用により上方へ移動することで気管の入口を塞ぎ、飲食物を食道へ送り込むことができます。頭部前方偏位は舌骨周辺の筋張力のバランスを乱すため、舌骨の正常な運動が妨げられます。そうなると飲食物が食道に送り込まれず、気管に流入してしまうということが起こります。その結果、むせやすい、せき込む、飲み込みづらいというような症状が現れやすくなります。

 

頭部前方偏位になりやすい姿勢

  • 背中が丸まっている(猫背)
  • 腰の前弯がない
  • 反り腰
  • お腹を前に突き出した姿勢

これらの姿勢は頭部前方偏位を助長する原因になります。
理想的な立位の姿勢は横から見た時に頸椎から腰椎までなだらかな生理的な湾曲があり、耳垂(耳たぶ)-肩-股関節-膝-外果(外くるぶし)を結ぶ線が一直線なっている状態です。この状態であれば筋肉への負担は少なく、効率的な姿勢だといえます。
首肩まわりの症状は仕事による影響も大きいですが、なかには仕事がない休日にも関わらず症状が消えず残っていることがあります。そういう場合、上記した姿勢になっているケースも多く、頭部前方姿勢が固定化されている可能性があります。
筋疲労があり筋肉が硬くなっていれば、緩めれば症状は軽くなりますが、その効果は一時的なもので、頭部前方姿勢になっているとすぐに痛みや凝りなどの症状は再発します。
固定化した頭部前方姿勢になっている場合、胸郭の柔軟性の低下頸部深層筋の筋力低下など様々な原因が関わっており、人それぞれその原因は異なります。
症状がなかなか良くならず残っていると、仕事効率も悪くなりやすいですし、日々の生活もスッキリとしないですよね。頭部前方偏位によって生じる症状は慢性化しやすく、この状態をほっといてしまうと頸椎や椎間板、神経根などの組織にも負荷がかかり、様々な疾患につながることもあります。 毎日繰り返し起こる首や肩周辺の症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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