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2022 / 04 / 08  06:00

胃の不調(機能性ディスペプシア)

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胃の状態が悪いと食欲が減ったり、食べ始めたばかりなのにすぐにお腹いっぱいになったりして、思うように食が進まないことがあります。
食べたいのに食べられないというのは時にストレスを感じますよね。
思い浮かぶ胃の病気は胃潰瘍、胃がん、急性・慢性胃炎などがありますが、中には原因となる疾患がないのに胃に不調を抱えることがあります。
病院で内視鏡や血液検査などを受けても異常がなく、胃の機能に原因がある場合のことを「機能性ディスペプシア」と呼びます。
「ディスペプシア」とはギリシア語に由来し、“消化不良”を意味します。
機能性ディスペプシアという言葉は聞き馴染みがないため、めずらしそうな病気と感じる人もいるかと思いますが、機能性ディスペプシアは成人の4人のうち1人は3か月に一度は経験しており、胃の不調で医療機関に受診される4~5割の人は機能性ディスペプシアといわれていて、めずらしい病気ではありません。

 

機能性ディスペプシアとは

胃の痛み、お腹の張り、もたれ感などの胃の症状があり、医療機関で内視鏡検査などをしても、とくに原因となる病気が見つからないものをいいます。
これらの症状が少なくとも6か月以上前からあり、ここ3か月は持続してるものをいいます。
機能性ディスペプシアは胃の組織そのものに異常(潰瘍や炎症など)があるわけではなく、胃の消化や運動などの機能に異常が生じている状態です。

主症状
 ・食後のもたれ感
 ・早期飽満感(食べ始めてすぐにお腹の張りや圧迫感)
 ・心窩部痛(みぞおち辺りの痛み)
 ・心窩部灼熱感(みぞおち辺りの焼けるような不快感)

 

胃の機能

  1. 口から入った食べ物は食道を通り、胃に入ります。その時胃は食べ物の量に応じて膨らみ、より多くの食べ物を受け入れることができます。
    このことを適応性弛緩といいます。
  2. そして胃に入った食べ物はしばらく胃に留まりますが、その間に胃の蠕動運動により食べ物は胃酸や消化液と一緒に攪拌され、吸収されやすい状態になります。
  3. その後、食物は胃の規則的な蠕動運動により十二指腸に運ばれます。(胃排出)

 

 

機能性ディスペプシアの要因

機能性ディスペプシアは

  • 適応性弛緩の異常
  • 胃排出の異常
  • 胃の知覚過敏

    によって生じると考えられています。

適応性弛緩の異常
食物が胃に入ってきても胃が拡がらないために少量で満腹に感じたり、胃の内圧上昇に伴いお腹の張りや痛みを生じやすく、食欲不振につながる原因となります。

胃排出の異常
胃液によって消化されやすい状態になった食物は胃の蠕動運動によって十二指腸に運ばれますが、何らかの原因によって胃の蠕動運動に異常をきたすと、食べ物が十二指腸へスムーズに排出されなくなってしまうことがあります。その結果、胃に食物が長時間留まってしまうので食後のもたれ感や不快感、胃の内圧上昇による痛みを引き起こしやすくなります。

胃の知覚過敏(内臓知覚過敏)
健康な人では痛みを感じない程度の刺激が機能性ディスペプシアの場合、痛みとして感じてしまうことがあります。
胃に知覚過敏があると食事や胃液の分泌によって胃の張りや痛み、みぞおち辺りの灼熱感を感じやすくなります。

 

これらの機能異常がおこる原因として多いのは

  • 遺伝や幼少期の環境要因
  • 気質的要因
  • 精神的ストレス
  • ピロリ菌感染後後遺症
  • 過食や高脂肪食を中心とした食生活

    などがあります。

 

<脳腸相関>

脳と胃腸は神経系、内分泌系、免疫系を通じて密接につながっており、これらの伝達経路によって脳と消化管双方の間で情報のやりとりがおこなわれています。
ストレスを感じるとお腹が痛くなったり、
逆に胃腸の状態が悪いと不安感やストレスを感じるのは脳と消化管がお互いに影響を及ぼし合っていることを示しています。
とくに消化管は自律神経を介して脳とつながっているため、疲労過多や精神的ストレスが強いと自律神経のバランスが乱れ胃腸の機能に異常が生じやすくなります。実際うつ病や不安障害を抱える方は不眠に次いで胃腸症状の割合が多いようです。
機能性ディスペプシアの方は副交感神経活動(体がリラックスしている時に働く)が低下し、相対的に交感神経活動(緊張している時に働く)が亢進している状態になっていることが多く、胃腸は常に緊張状態におかれています。
このように自律神経のバランスが乱れることにより胃の貯留機能(適応性弛緩)の異常や蠕動運動の異常を引き起こしやすくなります。

 

これまでに疲労の蓄積やストレスにより胃の不調を感じ、食欲が一時的に落ちたという経験をした方もいらっしゃると思います。これらの症状が一過性で落ち着けばいいのですが、胃の不調が長期にわたり続くと食事を満足にとれることができないため、ストレスが溜まっていくという悪循環に陥ってしまい、日常生活に影響を及ぼしてしまうことさえもあります。
美味しいものや自分の好きなものを食べることは楽しみの一つでもあるし、お腹の調子を気にせず食べたいですよね。

  • 原因不明の胃の痛み
  • 食欲がわかない
  • 少量でお腹いっぱいになってしまう
  • 胃のもたれ感

など胃の不調でお悩みの方はお気軽にご相談ください。

和養鍼灸院
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