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2020 / 05 / 18  21:21

未病とは

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病気ではないけど、何となく調子が悪い…

体の調子が悪くて病院で検査を受けても、異常が見つからないために有効な治療手段がなく、症状がだらだらと続いている。

この体の状態を中医学では「未病」といいます。

 

未病とは「病気ではないが体の不調があり、健康ではないこと」を指します。誰でも最初は健康な体をもっていますが、中医学では病気になる時は、いきなり病気になるわけではなく、健康な状態から「未病」を経て、病気になると考えられています。(健康→未病→病気)

体がだるい、肩のコリが強い、手足が冷えるなど、西洋医学では異常が認められない体の異常は、体内のバランスが崩れた状態であり、何もしないでいると自然治癒力や免疫力が低下していき、病気になってしまう可能性が高くなります。

中医学では病気になってから治療するのではなく、“未病”の状態から治療して日々の健康を保つ大切さを訴えています。まずは体の状態を知り、その上で病気を予防したり、体から発するシグナルに耳を傾け、少しでも異変を感じたら早めに対処する、そうすれば快適に日常生活を過ごすことができます。

鍼灸などの東洋医学では、体内のバランスが崩れた結果、病や体の不調が現れると考えられています。

鍼灸では治療に入る前に様々な方法で体の状態を調べますが、その体の状態を知るものさしとして「陰陽」、「虚実」、「寒熱」、「気血水」、「五臓六腑」があり、これらの基準に従って、体の状態を総合的にみていきます。

特に体の状態を知るうえで、重要な要素の一つとして「気・血・水」があります。

 

○気とは

 

気は生命活動の原動力(エネルギー)であり、すべての生理活動に携わります。

内臓機能を促進させ、新陳代謝を高める

体を温める

ウイルスや病原菌から体を守る

血や水が体内から不用に排出しないようにする

などの働きがあります。

「気」は

両親から受け継ぎ、生まれながら持っている「先天の気

呼吸や食物など日常生活から得られる「後天の気」

に大別されます。

先天の気は五臓の“腎”に保管され、人間の成長、発育、生殖に関わり、生命の根本をなす気となります。加齢によって先天の気は減少していくため、先天の気の減少は老化を意味します。

後天の気は五臓の“脾”の働きによって食物から生成され、あらゆる生理活動を支え、身体機能を維持する役割があります。「先天の気」は後天の気によって補充されます。

脾の機能が失調することで食物から「気」が生成されなくなると、充分な「気」が全身に供給されなくなるため、症状として疲れやすくなったり、体が冷えたり、風邪を引きやすくなったりします。

またストレスや疲労は気が消耗するだけではなく、気の流れも悪くなり(気滞)、気滞があるとイライラしたり、常にお腹張ったりして、どこかスッキリしない感じがあります。気が喉に滞ると喉の違和感もでてきます。

 

○血とは

 

血は食べ物によって作られ、酸素や栄養を各組織に供給します。

何らかの原因により、血が不足(血虚)すると、目がかすむ、眼精疲労、顔色が悪い、不眠、月経不順、手足が冷えるなどの症状がみられます。

「気」は「血」も動かす働きがあるため、気の流れが悪いと血の流れも滞り(瘀血)、目の下にクマができたり、肩こりや腰痛、生理痛など血が滞った場所で慢性的な痛みを引き起こしやすくなります。

 特に女性は「血」との関わりが深く、女性の特有の不調は血虚や瘀血による影響が多いです。

 

 ○水(津液)とは

水(津液)は涙、汗、尿、関節液など血液以外の体液のことを指します。

水は五臓の“脾”の機能によって食物から抽出され、“肺”によって全身に散布されます。また不要になった水は“腎”や“膀胱”の働きによって尿として排出されます。

水は肌や髪、爪などの組織にツヤや潤いを与え、乾燥を防いだり、さらに関節の潤滑油の役割も担い、関節の動きを滑らかにするなどの働きがあります。

水分代謝に関わる“脾”、“肺”、“腎”、“膀胱”の機能が低下すると体内に余分な水分が蓄積し(痰湿、水毒)、体が重だるくなったり、めまい、嘔吐、食欲不振などの症状があらわれます。

 

気・血・水は独立した機能を持ちながら、お互いが協調しながら働いています。この三者のうち、どれか一つでも不足したり、滞ったりすると、お互いのバランスが崩れてしまい、結果症状があらわれやすくなります。これが「未病」の状態にあたります。

症状が軽いうちは自然治癒力により回復することがありますが、症状が段々と悪くなっていたり、慢性化している場合、自然治癒力や免疫力も低下していることが多く、自然に回復することが難しくなります。このようなケースは症状を軽減させることも大事ですが、まず体全体の状態を把握したうえで、体のバランスを整える必要があります。症状があり、段々と悪くなっている、長期間症状に悩まされている方はお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

和養鍼灸院
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