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2020 / 02 / 03  16:00

ストレスによる体の不調

ストレスによる体の不調

 学校や職場での身体的疲労や人間関係での悩み、朝の満員電車、家事や子育てなど、ストレスとなる要素はたくさんあり、生活している上でストレスは誰もが多少なりとも感じていると思います。また成熟した社会の中において、相手の期待に応えるために、社会のシステムに合わせるために体の状態を顧みず、ムチを打って体に負担をかけ続けてはいないでしょうか。

ストレスは身体に悪いものと思われがちですが、全てのストレスが悪いのではなく、適度なストレスであれば体に緊張感を与え、生活にメリハリをつけてくれます。ストレスにも肉体労働やケガ、病気といった身体的ストレスと悩み、不安、怒、快不快などの精神的ストレスがあり、これらのストレスが短期間であれば体への影響は少ないですが、長期間にわたりストレスがかかり続ければ心と体は徐々に弱っていき、症状として体にあらわれてきます。

 

ストレスと体の関係

 ストレスは仕事や家事、人間関係で日々感じることがあるかと思いますが、そのストレスは大脳の一部である大脳辺縁系という場所で生じています。大脳辺縁系というところは食欲、睡眠、性欲などの本能的欲求や快不快、悲しい、怒り、恐怖などの感情・情動をつかさどっています。そして大脳辺縁系で生じたストレスはすぐ下の領域にある視床下部というところに作用し様々な生理反応を引き起こしますが、この視床下部は生命維持をしていく上でとても大事なところなんです。

 視床下部は自律神経系内分泌系(ホルモン系)免疫系をコントロールする中枢であり、私たちの体は、この三者の機能を視床下部がうまく調節してくれるおかげで、気温や気圧等の外部環境の急激な変動があっても、体内環境(体温や血圧等)を一定に保つことができるのです。前回お話いたしました、交感神経や副交感神経である自律神経系の問題、ホルモンバランスの問題、免疫系の問題のほとんどは視床下部の機能低下が原因であらわれます。日々生活の中で生じる適度なストレスでは視床下部に作用して、自律神経系、内分泌系、免疫系を介して、体がストレスに負けないように順応しようとします。この反応はストレスから身を守る“防御反応”として体になくてはならない反応なんですが、過剰なストレスや長時間のストレス状態が続くと視床下部は疲弊してしまう上に、コントロール下にある自律神経系、内分泌系、免疫系のバランスも乱れてしまい、体に様々な症状を引き起こします。

 

ストレスが原因でおこる症状

 ストレス増大は視床下部から放出されるホルモンが増え、そのホルモンが中枢(心)に作用すると不安やイライラが生じ、身体に作用すると自律神経失調症などの症状があらわれます。具体的にどのうような症状が体にあらわれるかというと

  • 座位や臥位から急に立ち上がった時にあらわれる、めまいや立ちくらみ
  • 過呼吸症候群
  • 片頭痛や筋緊張性頭痛
  • 耳鳴り、難聴、めまいを伴うメニエール症候群
  • 首、肩コリの悪化、易疲労
  • 食欲不振や動悸、不眠症
  • 冷え、のぼせ
  • ホルモンバランスの乱れによる生理不順、生理痛、不妊
  • 喉の異物感、つっかえ感
  • パニック障害
  などがあらわれます。

 

 また、自律神経系、内分泌系、免疫系の中枢は視床下部という同じ領域にあるため、お互いに影響し合っていて、一つの系統でトラブルが生じたら他の系統まで影響が及ぼしやすくなります。新潟大学医学部名誉教授 故阿保徹先生は自律神経と免疫系の関連性を研究をされていた偉大な方で、阿保先生の一連の著書には「交感神経が緊張すると免疫系の顆粒球が増え、副交感神経が働くと免疫系のリンパ球が増える」 と伝えております。つまり不安、イライラ、心身の疲労などでストレス状況下にある時は、交感神経の高まりによって顆粒球が増え、心身リラックスして体が休息している時は、副交感神経の高まりによってリンパ球が増えているということになります。顆粒球やリンパ球は病原体から体を守ってくれる大事な免疫細胞ですが、ときに交感神経が過緊張して顆粒球が増えすぎると、逆に体に不利益な反応が起こり、さまざまな疾患を引き起こしてしまいます。阿保先生によると顆粒球の増加は、自分の体の組織を破壊し胃潰瘍潰瘍性大腸炎過敏性大腸症候群慢性関節リウマチがんなどの原因になるといっております。

 

ストレスによる体の不調を軽くするコツ

 同じストレスの状況下に置かれていても、そのストレスに対しての受け止め方は人それぞれ違い、平然としている人もいれば、それを引きずってしまったり、それがきっかけで体調を崩す人がいたりと症状がでるかでないか、症状の出方や程度は人それぞれ異なります。それはその人の性格、気質などによりストレスによる対処適応能力が違うからです。とくに性格として多いのが「生真面目」「几帳面」「妥協を許さない」といった自分に厳しい方に多く見受けられます。また仕事一辺倒にもくもくとこなすタイプの人は、あることがきっかけで一度つまずいてしまうと、崩れ落ちるように体調が悪化しすくなります。

 性格というものは持って生まれたものですから簡単には変えられませんが、症状がでるということは体からの信号でもあります。まず「少し妥協する」「自分に甘える」「自分を労わる」というところから初めてみてはいかがでしょうか。

 そしてつらいこと、悲しいこと、イライラすること、不安に思うことは全部吐き出しましょう。今持っている感情を理性で押さえつけてしまうと、視床下部が制御不能になり自律神経系、内分泌系、免疫系に影響が及び様々な症状を引き起こします。気心知れた友達や会社の同僚としゃべったり、楽しいことをして発散したり、時には泣いたりすることも大事です。一瞬でもいいので嫌なことから解放しましょう。

 お風呂が嫌いでなければ、熱すぎないお風呂にゆっくりとつかりましょう。体の芯まで温めることでとてもリッラクスでき、副交感神経が働きます。

鍼灸治療はストレスによって引き起こされる症状を軽減するだけではなく、脳の神経伝達物質でリラックス効果のあるセロトニン、症状の発現を抑えるオキシトシン、鎮痛効果のあるエンドルフィンの分泌を促す効果があるといわれています。不定愁訴でお悩みの方、なかなか治らないなどお困りの方は鍼灸治療を試されてはいかがでしょうか。また当院では気の流れを促進させ、リラックス効果のある薬膳茶をつくっております。

                      

 

 

 

 

 

和養鍼灸院
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